医師として働けなくなったら長期で補償!

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医師向け賠償責任保険は一度使うともう使えないの?

目次
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ここでは、患者さんやそのご家族からのクレーム対応における医師賠償責任保険の再請求について解説しています。

保険の基本原則と補償範囲

賠償責任保険は加入期間中なら何度でも使える

医師賠償責任保険は、国内でおこなった医療行為が原因で患者さんが死亡もしくは障害を負い、被保険者が損害賠償を法律的に負うことになった際に保険金で補償するものです。保険ごとに1事故〇億円、通算〇億円などの制限がありますが、その範囲内であれば保険期間中に何度でもご請求可能です。また、複数回保険を使っても翌年の保険料は変わりませんが、請求内容によっては、保険会社の判断により次年度の更新ができなくなるケースがあります。

実際に患者さんから訴訟を起こされたら、顧問弁護士や医療訴訟に強い弁護士が矢面にたって対応することとなり、その費用は保険から支払われます。医師賠償責任保険では、医師賠償責任保険はその賠償金だけでなく、訴訟費用や弁護士費用などの争訟費用、求償権の保全・行使などにかかった費用、応急手当などの緊急措置費用、書類など保険会社の要求で準備したモノへの協力費用も支払い対象になっています。

また、被保険者である医師が患者さんからの言い分を全面的に認めたり、賠償金額を勝手に決めたりと、保険会社と連携をすることなく進めた賠償金については、保険金の支払いが減額もしくは支払われないこともありますので注意が必要です。

無保険期間がないように手続きを

医師賠償責任保険は1年契約で、更新月が近くなると連絡が入ります。継続する場合は各保険会社の所定の更新手続きを行う必要があります。(団体保険については自動更新の場合もあります)、解約する場合も保険会社が定めている所定の手続きをおこなう必要があります。

また、医師賠償責任保険は発見された時を起点にするため、契約の切替や満期更新の際に旧保険では保険期間終了後に発見された事故は補償対象外になり、新保険では保険期間開始前に発見された事故の場合は補償対象外になります。そのことを念頭に、保険契約の空白期間を作らないように注意しましょう。

いつ発見されたかで対応が異なる

医師賠償責任保険の補償が適用されるのは、保険期間中に患者の身体障害や事故が発見された場合になります。つまり、「発見された時を起点にする」です。そのため、旧保険の解約後もしくは満期終了後に、旧保険期間中におこなった医療行為が原因による身体障害や事故が発見されても、旧保険から補償を受けることはできません。

ただ、旧保険期間中に診療した治療でも、その身体障害や事故の発見が新保険期間中であれば、新保険の方から補償を受けることができます。そのため、旧保険の解約時期と新保険の加入時期に間が開かないようにすると安心です。

さらに保険会社によっては、損害賠償請求の提起が保険期間内であること(損害賠償請求ベース)を支払い条件としていることもありますので、保険契約の切れ目を作らないよう注意しましょう。

保険のプロに相談するのも一つの手

医師向けの賠償責任保険は多くの保険会社(代理店)が取扱っているので、複数のプランを取り寄せリサーチするのもいいでしょう。ただ、医師としての仕事も忙しい中、全てのプランを把握し比較するのは時間的にも難しいので、保険のプロに相談するのも一計です。

補償範囲や免責事項の有無についてしっかりと確認しよう

田伏 秀輝

田伏 秀輝

医師向け賠償責任保険は基本的に何度でも利用でき、保険金を使ったからといって翌年以降の保険料が上がるわけではありません。効果的に活用するには、ただ複数回使えることだけでなく、そもそもの補償範囲に不足がない事や、免責事項の有無についてもしっかりと確認しておきましょう。

医師向け賠償責任保険を再請求する際の注意点

医師向け賠償責任保険は、医療事故や医療過誤に対する強力なサポートを提供しますが、再請求を行う際にはいくつかの重要な注意点があります。
まず、再請求が可能かどうかを確認するために、保険契約の内容を詳細に把握することが不可欠です。多くの場合、保険契約には「一度の事故につき一度限りの請求」という制限が設けられていることがあり、再請求が認められるのは特定の条件下のみです。
また、再請求を行う際には、必要な書類を全て揃えることが求められます。特に、追加で発生した損害や新たに判明した医療過誤に関する証拠を確実に提出することが、再請求を成功させる鍵となります。
保険会社とのコミュニケーションも重要になります。再請求のプロセスにおいては、保険会社と密に連絡を取り合い、スムーズな対応を心がけることで、トラブルを未然に防ぐことができます。

賠償責任保険の再請求ができるケースとできないケース

賠償責任保険の再請求が可能なケースは限られており、再請求を行う際には、その状況が保険契約に照らして適切かどうかを確認する必要があります。通常、賠償責任保険は一度の事故につき一回の請求しか認められませんが、例外として再請求が認められるケースも存在します。
例えば、初回の請求後に新たな損害が発生した場合や、請求時には明らかになっていなかった事実が後日判明した場合などが該当します。しかし、再請求が可能かどうかは保険契約の詳細によって異なるため、契約内容をよく確認することが重要です。
一方で、再請求が認められないケースもあり、これは初回の請求で支払われた賠償額が保険の限度額に達している場合や、契約で明確に再請求が禁止されている場合などが挙げられます。こうした制約を理解しておくことで、再請求に対する期待値を適切に管理し、トラブルを防ぐことが可能です。

再請求時の賠償額の上限と補償範囲について

賠償責任保険の再請求を行う際には、賠償額の上限や補償範囲について正確に理解しておくことが重要です。多くの保険契約では、再請求時の賠償額には一定の上限が設定されており、初回の請求で支払われた金額がこの上限に近い場合、追加の補償が受けられないことがあります。
再請求が可能であっても、補償範囲が限られているケースも少なくありません。たとえば、再請求時には新たに発生した損害のみが補償対象となり、初回の請求で認められた損害に対する追加補償は行われない場合があります。
再請求を行う前に賠償額の上限と補償範囲をしっかり確認し、どの程度の補償が期待できるかを把握しておくことが必要です。保険会社によっては、再請求の際に特定の条件を満たす必要がある場合もあるため、事前に保険会社に相談することが望ましいです。

医師向け賠償責任保険の再請求プロセスの流れ

医師向け賠償責任保険で再請求を行う際のプロセスは、いくつかの重要なステップを経る必要があります。
まず、再請求を行う理由を明確にし、必要な書類を揃えることが最初のステップです。この段階では、初回の請求時に提出した書類に加え、新たに判明した損害や医療過誤に関する証拠を提出することが求められます。
次に、保険会社に対して正式に再請求を申請します。、保険会社との連絡を密に行い、再請求の詳細を確認しながら手続きを進めることが重要です。
再請求が受理された後は、保険会社が再度審査を行い、賠償額が決定されます。このプロセスには通常、一定の時間がかかるため、早めに行動を開始することが推奨されます。
賠償金の支払いが完了するまでの間も、保険会社とのコミュニケーションを継続し、必要な対応を迅速に行うことが求められます。

賠償責任保険の再請求が認められやすい状況とは?

再請求が認められやすい状況には、いくつかの共通点があります。
まず、新たな証拠が発見された場合や、初回の請求時には認識されていなかった追加の損害が明らかになった場合が該当します。例えば、患者の容体が悪化したり、新たな医療過誤が判明した場合には、再請求が認められる可能性が高くなります。
また、初回の請求で賠償額が上限に達していない場合や、保険契約の特約で再請求が許可されている場合も再請求がしやすくなります。しかし、再請求が認められるかどうかは保険会社の判断に大きく依存するため、事前に保険会社に相談し、再請求が可能な条件を確認しておくことが重要です。再請求を行う際には、適切な書類の準備や、保険会社との綿密なコミュニケーションが求められます。

再請求を行う際に必要な書類と準備

医師向け賠償責任保険で再請求を行うためには、適切な書類を準備することが不可欠です。
再請求の理由を説明する文書が必要であり、この文書には、再請求の根拠や新たに判明した事実を詳細に記載します。書類を揃えるためには、日頃から必要な情報を整理し、迅速に対応できるようにしておくことが重要です。
保険会社から追加の書類が求められる場合もあるため、必要に応じて速やかに対応できるよう準備しておくことが大切です。再請求をスムーズに進めるためには、これらの書類を迅速かつ正確に準備し、保険会社との連携をしっかりと行うことが求められます。