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美容外科の訴訟リスク

目次
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美容外科は保険が適用されない自費診療であり、病気治療とは異なり外見を自分の理想に近づける行為であることからも、患者さんが思うような結果に繋がらないとトラブルになりがちです。また、一人一人の状態・体型・体質が異なるので、想定通りに施術が進まず、ヒヤリハットにつながることもあるようです。

美容外科医師が訴訟リスク対策として実施すべきこと

書面で残しておくことが大事

美容外科では、施術による傷や後遺症などだけでなく、費用や効果に関しての訴訟も見られます。インフォームドコンセントがらみの事例も少なくないので、後で「言った」「言わない」とならないように、同意書などの説明資料はきちんと残しておく必要があります。

また、美容外科は保険が適用されない自由診療なので、かかる費用も高額です。施術前には費用の説明だけでなく、説明をしたとわかる書面と見積もりも患者さんに渡しておく事が大事です。これは、施術効果についても同じです。書面で「効果についても正確に説明した」と残しておくことで、施術後に「高額請求をされた」とか「聞いていた話しと違う」とクレームが入るのを予防できます。結果、訴訟にまで発展しないで済むことにも。

美容医療という特殊性に合わせた対策が必要

美容外科における訴訟では、インフォメーションによるものもあれば、重大な施術ミスによるものもあります。ただ、美容医療では1億単位での高額賠償金額が発生することはほとんどなく、その多くが1千万円以下です。また、示談交渉事案なども少なくありません。

とはいえ、1千万円でも大金であり、そう簡単に用意できるものではありません。訴訟になった際のサポート体制として保険に加入しておくと安心です。美容外科医師は医師賠償責任保険には入れませんが、美容外科医師向けの美容医療賠償責任保険には加入できます。

医師が訴訟に巻き込まれた際に勤務先は守ってくれるか

病院には使用者責任がある

多くの訴訟で、医師だけでなくクリニックへの責任も問われます。病院に対しての責任追及は、債務不履行と使用者責任です。病院そのものが医療行為をおこなっているわけではないですが、雇用する美容外科医師が損害賠償責任を負った場合、病院側も損害賠償責任を負うこととなります。

「美容を目的とする医療行為」を対象としている保険もある

田伏 秀輝

田伏 秀輝

医師賠償責任保険とは、もしもの医療事故に対してのサポートです。加入しておくことで、賠償金の負担をカバーできます。ただ、美容医療では適用外であることがほとんどです。代わりに、大手損害保険会社の医師賠償責任保険では補償されない「美容を唯一の目的とする医療行為」を対象としている保険もあります。また、美容外科だけではなく、切開を伴わない美容診療行為も補償対象となっています。

この保険商品は、患者から出来栄えのクレームで頻繁に電話、金銭的要求があっても、速やかに弁護士が代理人となり対応してくれます。そのため、医師やクリニックが矢面に立たなくて済みます。

また、患者の弁護士から医療ミスがあったと訴状が届いても、弁護士へ相談・委任ができます。代理人となった弁護士が患者の弁護士と交渉するので安心です。

この保険商品の詳細は、以下のリンクからぜひご確認ください。