医師として働けなくなったら長期で補償!
診療科目の中でも対応範囲が広く多くの人が訪れる内科は、息つく間もないほど忙しい科でもあります。忙しさから使用済みに注射を別の患者さんに刺すなどの取り間違いや診察・検査における見落としなどヒヤリとする事も。また、以前に対応していた医師がカルテに必要な情報を記載しておらず、ムンテラに困ってしまったなど、多くの医師がヒヤリとした経験を持っています。
最高裁判所がまとめた医事関係訴訟事件(地裁)の診療科目別既済件数をみると、内科がトップで多い事がわかります。その訴訟件数は年170~200件前後。令和3年度では例年よりも増え、200件を軽く超えています。診療科目別既済件数割合では29.0%と、多数ある診療科目の中でも高い割合になっています(2015年~2021年時点)。
数ある科目の中でも、内科は群を抜いて訴訟リスクが懸念されますが、他の科目と比べて従事する医師の数は多いことからも、それほど多いとは言えません。ただ、そうはいっても訴訟のリスクは決して低いわけではないので、重症例における医療ミスへの不安や、急変時の対応にヒヤリとさせられることが少なくありません。常に細心の注意が求められています。
※参照元:最高裁判所(https://www.courts.go.jp/saikosai/vc-files/saikosai/2022/220701-iji-toukei4-shinryoukamokubetsukisai.pdf)
訴訟では、診療上の過失や患者説明上の過失の有無が問われるので、日頃から適切な診断と治療、十分な説明の実施が大事です。繰り返し丁寧に説明することで、訴訟リスクを下げます。また、裁判ではカルテが証拠になり、医師の主張を証明するものになるので、些細な事でも記載する癖をつけておくのも良いです。
賠償金の支払いが発生してしまった場合には、医師賠償責任保険に加入しておくことで負担を軽減することができます。医療裁判では、担当する裁判官や弁護士が必ずしも医療に詳しいとは限らないので、医師賠償責任保険は身を守る最後の砦になります。
患者さんからの訴訟では、その多くが医師個人だけでなく病院も相手取ったものになります。病院には該当する医師を雇用している責任があるので、よほどのことがなければ医師だけに責任を問う事はなく、病院が依頼した弁護士が表立って対応することがほとんどです。
ただ、訴訟に備えては保険に加入している病院もありますが、近年では勤務医への補償はオプション扱いされていることもあり、病院が保険に加入しているからといって必ずしも安心とは限りません。そのため、勤務している病院の保険や訴訟リスクに対して、事前に把握しておく必要があります。もし勤務医は補償外だったの場合には、個人で入れる医師賠償責任保険に加入しておくといいでしょう。
医療行為によって患者さんが死亡したり障害などがみられた事で、医師が負う事となった法律上の損害賠償金を保険金で支払います。民間の保険会社や、日本医師会でも保険を取り扱っています。保険会社によって補償内容が異なるので、加入前にしっかりと確認しておくことが大事です。
ですが、多忙な毎日を送る医師の皆さんは、そんな時間を確保することが難しいはず。保険について何でも気軽に相談できる相手がいると、自分に合った保険を提案してもらえます。
保険金で支払われるのは、法律上の損害賠償金だけでなく、争訟費用・損害防止軽減費用・緊急措置費用・協力費用など。補償対象となるのは医療行為による障害や死亡などで、勤務先の病院だけでなく、出張先の病院など場所を問いません。また、医師本人の医療行為だけでなく、指揮監督下にある看護師や専門技師などによる医療行為が原因で、その指揮・監督責任を問われた場合にも適用されます。
数ある診療科目の中でも内科での年間訴訟件数は特に大きな数字になっていますが、内科医師の多さからも、医療訴訟の経験がある医師はそこまで多くはありません。ただ、ヒヤリとした経験を持つ方もいるのではないでしょうか。
訴訟リスクへの対策にはインフォームドコンセントの徹底が有効ですが、いくら気を付けていても、人である限り見落としやミスは完璧に防ぐことはできません。賠償金の支払いが発生した場合を考えて、医師賠償責任保険に加入しておくと安心です。
医師向け保険について熟知しているプロに相談を
田伏 秀輝
多忙な日々を送る医師の皆さんは、時間の確保が難しいかもしれません。そんなときは、医師向け保険について熟知しているプロに相談することで、自分に合った保険を提案してもらえるでしょう。