医師として働けなくなったら長期で補償!
ここでは、院長夫人のあなたに向けて、開業医の夫が入るべき保険について解説します。
開業医は勤務医とは異なり、自分自身で保険に加入する必要があります。開業前・開業後に関わらず、その都度保険の見直しを確認することが大切です。
とくに、開業後に医療法人化したり、子どもが生まれて家族構成が変わったりした時期は見直しが必須でしょう。医師自身や家族、クリニックで働くスタッフに対してもしっかりと保険に加入できる準備は大切といえます。
医師は他職種と比べて高収入である一方、長時間労働による健康問題のリスクが大きい職業です。心身の負担が蓄積されて、過労死や精神障害、身体的な病気、大きな事故などを引き起こす可能性があります。その結果、働けない状況になれば、生活費の不安や教育資金、生活水準の維持が難しくなるでしょう。
医師向けの所得補償保険は、これらの所得に対する不安の備えとなり、期間中は毎月安定した補償を受けることが可能です。家計を守るためには、必要な保険といえます。
医師向け賠償責任保険は、医療事故において法律上、医師が賠償責任を負担する場合に被る損害に対し、保険金の支払いをしてもらえる保険です。とくに、患者の身体に障害を与えたり死亡させたりした場合、医師の指示で看護師が行った行為が医療事故につながった際の監督責任、出張診療における医療事故などが対象の範囲になります。加入していることで、何億円もの損害賠償金を支払う負担が軽減されるため、万が一に備えて加入しておきたい保険です。
開業医は、長時間労働になりやすく、さまざまな業務の負担を背負いながら仕事をしています。そこで、安心して働けるように、病気や怪我などに備えて医師の働き方に適した健康保険を選ぶことが大切です。また、家族の健康を支えるためにもご家庭に合わせた健康保険を検討してみましょう。
従業員数5人以上の個人立の医院や医療法人の場合は、社会保険(健康保険)の加入が義務付けられていますが、従業員数が5人未満の事業所では社会保険の加入義務がないため、個人立の医院の多くは、従業員に対する事業主の保険料負担がない国保か医師国保を選択しているケースがあります。
万が一、開業医である夫が病気や事故などで亡くなってしまった場合、残された家族への保障として生命保険に加入することは重要です。生命保険は保険金のほかにも、相続税の納税資金対策の一つとして活用できます。開業医の夫が残す遺産には、クリニックの建物や医療機器、医薬品、未受領の診療報酬などが含まれており、高額な相続税となるでしょう。しかし、生命保険に加入していると、遺産相続で決まった額まで相続税が非課税になります。
開業した場合、安全に事業を継続するためのリスクマネジメントが必要です。とくに、開業する際に金融機関から借入れした資金に対する保障や、医療機器などのリース契約、医院の借家契約などに対する保障は重要といえます。医院の継続が安定せずに廃業してしまうと、家族の生活に大きな影響を与えるでしょう。安定して医院の運営を継続できるよう加入しておきたい保険です。
開業している医院には、医師が院長のみの場合やほかに医師が在籍している場合があります。また、支払う給与や医療機器のリース契約代などの医院に関わることや、家族の生活費や教育費、各種ローンなど家計に関わることがあるでしょう。
保険プランは、開業の経営状況や家族構成など考慮するべきポイントが多数あります。そこで、保険プランをカスタマイズし、自分たちに適したプランを選ぶことが大切です。適した保険プランを選ぶためには、医師向けの保険に詳しい専門家からのアドバイスを受けると良いでしょう。
医師の夫と妻が協力して、医院の安定した運営を継続させる保険と家族の暮らしを守るための保険に加入することは大切です。そのためには、家族としての保険をご夫婦で共有し、定期的に見直せるように協力し合う必要があります。開業医の夫を常にそばで支える院長夫人として考えていきましょう。
医師の家族の安心な未来へ
田伏 秀輝
医師の妻として、ご主人の保険加入を検討することは安心できる家族の未来のためには重要です。
医師向けの保険には、賠償責任保険や所得補償、健康保険、火災保険などさまざまな保険があります。医院の経営や家計などを総合的に考慮して、適した保険に加入できるようにサポートしていきましょう。